高齢者向け非常食おすすめ7選!選ぶポイントと注意点
「高齢の親が乾パンや硬いご飯を食べられるだろうか?」「避難所で配られるおにぎりだけでは栄養の偏りが心配」など、実際の避難を想定すると不安・疑問があるかと思います。
一般的な非常食は、エネルギー確保を優先するために「硬い・パサパサしている・味が濃い」といった商品もあります。噛む力や飲み込む力が弱くなった高齢者にとっては、喉に詰まらせるリスクや食欲不振の原因になりかねません。
災害という過酷な環境下で、高齢者が健康を維持するためには、身体機能や持病に配慮した「専用の非常食」の備蓄が不可欠です。
本記事では、高齢者の身体に優しく、長期保存も可能なおすすめの非常食7選をご紹介します。
さらに、高齢者向け非常食の注意点、普段の食事を防災につなげる「ローリングストック」の活用法も解説します。この記事を読めば、あなたの大切な家族を守るための、具体的で安心できる備えを整えられるでしょう。
あわせて読みたい
なぜ高齢者には特別な配慮をした非常食が必要なのか

高齢者にとって、一般的な非常食や避難所の食事は「命をつなぐ糧」ではなく、逆に「健康を害するリスク」になるかもしれません。
高齢になるほど、「噛む力(咀嚼)」や「飲み込む力(嚥下)」は低下しています。避難所で配布される乾パンやおにぎりは、水分が少なく硬いため、誤嚥(ごえん)や窒息を引き起こすリスクがあります。
また、入れ歯を紛失したり、洗浄できずに使えなくなったりするケースも想定しなければなりません。
さらに、高血圧や糖尿病などの持病がある場合、塩分・糖分が高い保存食は病状を悪化させる恐れもあります。喉越しの良いもの、栄養バランスの整った食事を用意し、避難生活における健康を守りましょう。
高齢者向け非常食を選ぶ4つの重要ポイント

高齢者向け非常食は、「柔らかさ」「飲み込みやすさ」はもちろん、調理の手間や賞味期限なども考慮しなければなりません。
災害発生後は、「各種ライフラインの断絶」「コンビニやスーパーでの買い物ができない」といったケースもあります。非常事態を想定することで、避難生活でも健康・ストレスが害されるリスクを抑えられます。
次項では、高齢者向け非常食を選ぶ4つのポイントを解説するので、購入時の参考にしてください。
ポイント① 噛む力や飲み込む力に合わせたやわらかさで選ぶ
高齢者向け非常食を選ぶ上で重要なのは、本人の「食べる力」に合った硬さの食品を選ぶことです。
市販の介護食には「ユニバーサルデザインフード(UDF)」という規格があり、「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4段階に区分されています。
備蓄を選ぶ際も、普段食べている食事の硬さを基準に、このマークがついたレトルト食品を選ぶと安心です。
もし判断に迷う場合は、一段階やわらかめのものを選んでおくと、体調を崩して噛む力が落ちた時でも対処しやすくなるでしょう。とろみがついている食品は、誤嚥防止にも効果的です。
ポイント② 本人の好みに合わせる
災害発生後の避難生活では、過度なストレスによって食欲低下のリスクもあるため、好みの味を考慮した非常食も備蓄に加えましょう。
主食・主菜はもちろん、甘味類も含めて「好みを考慮した非常食」を備蓄しておくと、避難生活中の食欲低下を防ぎやすくなります。
もちろん、持病や身体の状態も考慮して、栄養バランスへの配慮も忘れないよう注意してください。
ポイント③ 調理不要ですぐに食べられる
調理不要な非常食であれば、心身のストレスが強くなりがちな避難生活での負担を抑えられます。
災害時はガスや電気が止まり、お湯を沸かせない状況も想定されます。さらに、高齢者自身が調理をする場合、複雑な手順は負担になるでしょう。
そのため、加熱や加水が不要で、パッケージを開ければそのまま食べられる「レトルトパウチ」や「缶詰」も備蓄しましょう。容器に移し替える必要がなく、封を切ってスプーンですくうだけで食べられるタイプなら、食器を洗う水も節約でき、衛生面でも安心です。
ポイント④ 長期保存が可能か賞味期限を確認
「食べようと思ったら賞味期限が切れていた」といった事態に陥らないよう、長期保存可能か確認しましょう。
介護食やレトルトお粥の中には、賞味期限が1年程度のものもあれば、防災用に特化した5年保存が可能なものもあります。頻繁な入れ替えができる場合は1年保存、管理の手間・コストを抑えたい場合は備蓄用の長期保存タイプがおすすめです。
いざというとき、期限切れで食べられないという事態だけは避けなければなりません。
【主食】高齢者向けおすすめの非常食2選

次項では、高齢者向けのおすすめ非常食(主食)3選をご紹介します。価格やセット内容などの概要・特徴と併せて解説するので、購入時はぜひ参考にしてください。
【味の素】おかゆ バラエティセット
スーパーでも手に入りやすい、味の素のレトルトおかゆシリーズです。
| 参考価格 | 2,958円 |
| セット内容 | 5種×3食 ※白がゆ/梅がゆ/玉子がゆ/紅鮭がゆ/鶏がゆ |
| 保存期間 | 製造から12~15ヶ月 |
| カロリー | ・白がゆ :85kcal ・梅がゆ :93kcal ・玉子がゆ:100kcal ・紅鮭がゆ:98kcal ・鶏がゆ :100kcal |
| アレルギー情報 | ・玉子がゆ:卵/小麦/大豆 ・紅鮭がゆ:小麦/さけ/大豆 ・鶏がゆ :小麦/鶏肉/豚肉/ゼラチン |
※2026年1月時点
「白がゆ」だけでなく、「梅がゆ」「玉子がゆ」「紅鮭がゆ」など味の種類が豊富で、毎日食べても飽きにくいのが魅力です。温めずにそのままでも美味しく食べられるため、ライフラインが停止した直後の食事としても適しています。
賞味期限は製造から約12〜15ヶ月程度ですが、入手しやすく普段の食事としても消費しやすいため、ローリングストックにおすすめです。
「避難生活でも美味しい食事が取りたい」「調理器具の備蓄が乏しい」といった人は、味の素のおかゆバラエティセットを検討しましょう。
【アルファー食品】安心米 白がゆ
備蓄用の非常食を多数手がけるアルファー食品から販売される、長期保存が可能なアルファ化米のおかゆです。
| 参考価格 | 388円 |
| セット内容 | 1食分 |
| 保存期間 | 製造から5年 |
| カロリー | 150kcal |
| アレルギー情報 | 特定原材料等28品目不使用 |
※2026年1月時点
最大の特徴は、製造から「5年」という長い賞味期限を持つことです。一度購入すれば入れ替えの手間がかからず、ランニングコストも抑えられます。
お湯を注げば15分、水でも時間はかかりますが柔らかいおかゆに戻ります。スプーンが付属しており、袋がそのまま器になるため、食器が不要な点も避難所生活では助かるでしょう。
ユニバーサルデザインフードの「歯ぐきでつぶせる」に相当する柔らかさで、食塩も付いているため味の調整が可能です。
「シンプルなおかゆが欲しい」「長期保存できる非常食がいい」といった人は、アルファー食品の白がゆがおすすめです。
【主菜・副菜】高齢者向けおすすめの非常食2選

次項では、高齢者向けのおすすめ主菜・副菜の非常食2選をご紹介します。概要・特徴も解説するので、購入時の参考にしてください。
【キユーピー】やさしい献立 容易にかめるアソートセット
こちらはユニバーサルデザインフードの「容易にかめる」区分、6種のおかずをセットにした商品です。
| 参考価格 | 2,379円 |
| セット内容 | 6種、11個入り |
| 保存期間 | - |
| カロリー | 41~97kcal ※種類により異なる |
| アレルギー情報 | ・野菜煮込み:卵/小麦/さば/大豆/鶏肉 ・かきたま:卵/乳成分/小麦/えび/ごま/大豆/鶏肉 ・ハンバーグ:卵/乳成分/小麦/大豆/鶏肉/豚肉 ・グラタン:卵/乳成分/小麦/大豆 ・肉じゃが:小麦/牛肉/大豆/鶏肉/豚肉 ・シチュー:卵/乳成分/小麦/大豆/鶏肉 を含む |
※2026年1月時点
このアソートセットは、「肉じゃが」や「シチュー」「ハンバーグ」など、メインのおかずとして満足感のあるラインナップが特徴です。具材の形を残しつつも、箸で切れるほどの柔らかさに仕上げられています。
野菜やお肉の栄養もしっかり摂れるため、炭水化物に偏りがちな避難時の食事バランスを整えるのに役立つでしょう。常温保存できるため、家庭用の備蓄、持ち出し袋などに加えられます。
「避難中のストレスケアがしたい」「好みのおかずを加えたい」といった場合におすすめです。
【ライフスープ】ぽかぽか野菜スープ
お湯や水で溶かすだけで飲める、粉末タイプの野菜スープです。
| 参考価格 | 2,025円 |
| セット内容 | 7食入り |
| 保存期間 | 製造から5年 |
| カロリー | 46.3kcal |
| アレルギー情報 | 特定原材料等28品目不使用 |
※2026年1月時点
このスープの優れた点は、アレルギー特定原材料等28品目が不使用で、化学調味料も使われていない身体への優しさです。さらに、鉄分やビタミン、ミネラルなどの栄養素を摂取できるため、野菜不足になりがちな避難生活での栄養補給におすすめです。
5年間の長期保存が可能で、個包装のため計量の手間もありません。温かいスープは、不安な心をほぐす効果も期待できます。
「避難中の健康が心配」「寒い時期の災害対策を整えたい」といった人は、ぽかぽか野菜スープを検討しましょう。
【栄養補助・その他】高齢者向けおすすめの非常食3選

政府・自治体で支給される食料において、甘味類や栄養補助食品などが含まれるケースは少ないです。ストレス緩和や健康維持のためにも、非常食にはお菓子類・栄養補助食品も加えておきましょう。
次項では、高齢者の人におすすめの、栄養補助・お菓子類の非常食をご紹介します。
【井村屋】えいようかん
「えいようかん」は、食品メーカーとして老舗の井村屋が作った、5年保存可能な備蓄用羊羹です。
| 参考価格 | 702円 |
| セット内容 | 1箱×5本入り |
| 保存期間 | 製造から5年6ヶ月 |
| カロリー | 171kcal/本 |
| アレルギー情報 | 特定原材料等なし |
※2026年1月時点
1本でご飯小盛一杯分(171kcal)のエネルギーを手軽に補給できます。柔らかく滑らかな食感で、噛む力が低下した高齢者の人も食べやすいお菓子です。
水がなくてもそのまま食べられ、甘さが疲れを癒やしてくれます。コンパクトなので、非常持ち出し袋の隙間に入れやすいでしょう。
「手軽に食べられる甘味がほしい」「長期保存できる非常食が必要」といった人は、えいようかんがおすすめです。
【LIFESTOCK】ライフストック ゼリー(お試しコンプリートセット)
ライフストック ゼリーは、水や電気がなくてもすぐに摂取できる、5年保存可能なゼリー飲料です。
| 参考価格 | 2,820円 |
| セット内容 | 3種×2個入り (ナシ / グレープ / アップル&キャロット) |
| 保存期間 | 製造から5年 |
| カロリー | ・エナジータイプ:202kcal/本 ・バランスタイプ:20kcal/本 |
| アレルギー情報 | ・エナジータイプ:特定原材料27品目不使用 ・バランスタイプ:特定原材料7品目不使用 |
※2026年1月時点
ライフストック ゼリーの「エナジータイプ」は、1本で200kcal以上のエネルギーを補給できます。同時に水分も摂取できるので、避難生活における脱水症状予防にもつながります。
また、ゼリー状なため、嚥下力が弱く、固形物を食べるのが難しい人でも、スムーズに飲み込みやすいでしょう。ポケットサイズでどこにでも収まりやすく、食欲不振時の栄養補給として、非常に頼りになるアイテムです。
「防災用リュックにスペースが足りない」「避難生活で心身へのストレスを抑えたい」といった人は、ライフストック ゼリーがおすすめです。
【森永製菓】inゼリー エネルギーロングライフ
inゼリー エネルギーロングライフは、「10秒チャージ」でおなじみのinゼリーから登場した、防災備蓄専用の商品です。
| 参考価格 | 420円 |
| セット内容 | 1パック |
| 保存期間 | 製造から3年 |
| カロリー | 180kcal |
| アレルギー情報 | 特定原材料等なし |
※2026年1月時点
通常のinゼリーよりも賞味期限が長く、製造から「3年」の保存が可能です。1個で180kcalのエネルギーと水分を同時に補給できます。
馴染みのある味とパッケージは安心感があり、キャップ付きで衛生的かつ少しずつ飲める点も魅力。常温でも美味しく飲めるよう、味が調整されています。
「1本単位で購入したい」「嚥下しやすいものがほしい」といった人は、こちらの非常食がおすすめです。
高齢者向けの非常食を選ぶ際の注意点

高齢者向けの非常食を選ぶ際は、「避難生活」を念頭に置いて判断しなければなりません。避難所や車中泊避難など、あらゆるケースを想定することで、「栄養バランスの乱れ」「ストレスによる食欲低下」などのリスクを抑えやすくなります。
次項では、これらのリスクを踏まえた上で、非常食選びの注意点を解説します。
栄養バランスの偏りを防ぐ
非常食は、おにぎりやパンなどの炭水化物が多くなりがちです。
中でも、タンパク質が不足すると、筋肉量の低下に伴う疾患が現れる恐れもあります。主食だけでなく、肉や魚を使った柔らかいおかずなどのレトルトを組み合わせ、タンパク質を確保してください。
また、便秘を防ぐための野菜ジュースや食物繊維入りの食品も検討しましょう。
避難生活中の野菜不足解消については、以下の記事で詳しく解説しています。
食べなれた食品も加える
災害発生後は、環境の変化によるストレスで食欲が極端に落ちる恐れがあります。そんなとき、「いつも食べているお菓子」「好きなメーカーの缶詰」があるだけで安心感につながり、食事を取りやすくなります。
栄養機能食品ばかりでなく、好物の甘納豆や煎餅(柔らかいもの)、飴など、嗜好品も忘れずに加えてください。「心の栄養」が生きる気力を支えます。
また、普段食べている甘味・おかず類が非常食に適さない場合、備蓄用の非常食をいくつか購入し、「普段から食べ慣れておく」といった方法もおすすめです。
非常食と一緒に備えておきたい高齢者のための防災グッズ

高齢者の人は、以下の防災グッズも備えましょう。
高齢者が備えておきたい防災グッズ
- お薬手帳や健康保険証のコピー
- 持病の予備薬
- 老眼鏡
- 成人用のおむつ(もしくは簡易トイレ)
- 口腔ケア用品
- 履きなれた靴
- 暑さや寒さの対策グッズ(冷却シートや断熱アルミシートなど)
中でも注意が必要なのは、持病を持つ人です。災害発生直後は医療機関を受診できるとは限らないため、予備薬を最低でも3日分は確保しましょう。
もちろん、薬には使用期限があるため、かかりつけ医や薬剤師などとも相談してください。
また、お薬手帳があれば、かかりつけ医以外の医師に正確な情報を共有できます。不足した薬を処方してもらえるため、必ず防災リュックなどに入れておきましょう。
被災時に困らないための備蓄方法 ローリングストックのすすめ

高齢者向けの食事は、好みが分かれたり、体調によって食べられるものが変わったりします。そのため、5年保存の非常食を大量に買い込んで放置するのではなく、「ローリングストック(循環備蓄)」による備蓄をおすすめします。
ローリングストックとは
- 日常的にレトルト食品や缶詰を買い、賞味期限の短いものから消費する
- 不足した食料は買い足す
- 常に賞味期限の新しい食料を確保できる
この方法なら、賞味期限切れを防げるだけでなく、普段から食べ慣れている味を災害時にも食べられます。「今日は手抜きをしてレトルトにしよう」という日に消費すれば、無理なく続けられるでしょう。
まずは1日分の非常食から始めよう!
高齢者のための非常食選びは、「やわらかさ」「持病への配慮」「手軽さ」が大切です。
高齢者向けの非常食について
- 主食 :アルファ米のおかゆ、やわらかいレトルトご飯
- おかず:UDF区分(介護食)のレトルト惣菜、野菜スープ
- 補助 :長期保存ゼリーや羊羹、お気に入りのお菓子
これらを組み合わせ、まずは1日分から始めて、できれば1週間分を確保しましょう。そして、普段の生活の中でローリングストックを実践し、「いつでも食べられる安心」を作っておくことが、大切な家族を守る一番の近道です。
また、家族全員分の備蓄を始めたい場合は、以下の記事も参考にしてください。1日分の目安量とシミュレーションを行っているので、防災備蓄が初めての人におすすめです。


