防災用カセットコンロのボンベは何本いる?人数・日数別で備蓄量を解説
いざ被災したとき、ストレスの要因となるのは「温かい食事がとれないこと」です。電気やガスが止まった状況下で、カセットボンベの備蓄不足は、冷たいご飯を食べ続ける過酷な避難生活を意味します。
防災用品の備蓄はコストがかかるほか、保管スペースも必要なので、適切な必要量を把握しておきたいと考えるでしょう。しかし、カセットボンベは容量に対し、どれだけ使えるのかイメージが難しく、適切な備蓄量がわからないかもしれません。
そこで本記事では、人数・日数別のカセットボンベの必要本数について解説します。備蓄用のカセットコンロ・ボンベの選び方やおすすめ商品なども紹介するので、防災用品の購入時はぜひ参考にしてみてください。
記事の内容を参考にすれば、無駄のない適正量を把握でき、災害時でも家族に温かい食事を用意できる万全の体制が整います。
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【早見表】防災用カセットボンベの備蓄本数

防災用カセットボンベについて、推奨される備蓄本数を早見表でご紹介します。
避難所では自由に電気・ガスを使えないほか、在宅避難でも各種インフラが停止するリスクもあります。しかし、季節を問わず、健康維持のためにお湯は不可欠です。
たとえば、「レトルト食品を温める」「身体を拭く」「洗浄・殺菌する」などの用途にお湯を使います。家族の健康・安全を守れるよう、最低限必要なガスボンベの本数を把握しておきましょう。
人数と日数で見る必要本数の目安
災害時にライフライン(都市ガス・電気)が復旧するまでの期間を乗り切るため、備えておくべきカセットボンベの本数をまとめました。一般的なカセットボンベ(250g)を使用し、1日3食程度の加熱調理(お湯を沸かす、レトルトを温めるなど)を行う想定の目安をご紹介します。
| 家族構成 | 3日分(最低限) | 7日分(推奨) |
| 1人 | 2〜3本 | 6〜7本 |
| 2人 | 4〜5本 | 9〜10本 |
| 3人 | 6〜7本 | 13〜15本 |
| 4人 | 8〜9本 | 18〜20本 |
この表からわかるように、4人家族で1週間自立した生活を送るには、約20本(3本入りパックで約7セット)ものボンベが必要です。「3本入りを1パック買っておけば安心」というのは誤りであり、実際には数日で使い切ってしまうリスクが高いことを認識しましょう。
特に冬場は、温かい飲み物の需要が増えたり、体を拭くためのお湯が必要になったりするため、上記目安よりも多めに準備してください。
最低限備えるべき本数と理想の本数
備蓄計画を立てる際、「最低ライン」と「理想ライン」の2段階で考えるのが現実的です。
まずクリアすべき「最低ライン」は3日分です。災害発生直後の72時間は人命救助が最優先されるため、支援物資が届かない可能性も高く、自力で食いつなぐ必要があります。この期間を乗り切るための本数を、最優先で確保してください。
次に目指すべき「理想ライン」は1週間(7日)分です。過去の大規模災害において、電気は比較的早く復旧しましたが、ガスの復旧には数週間から1ヶ月以上を要したケースがあります。
1週間分のストックがあれば、電気復旧までの期間をカバーしやすく、またカセットコンロでご飯を炊くなどの調理も余裕を持って行えます。収納スペースが許す限り、1週間分を目標に備蓄を進めるのが正解です。
防災で必要なカセットコンロのボンベ本数を計算する方法

備蓄量を正確に把握するには、ボンベ1本あたりの消費量を知る必要があります。気温・用途別に、ボンベの消費量の目安を見ていきましょう。
| 項目 | 気温25~27℃ | 気温9~11℃ |
| レトルト食品を温める(1L) | 約17g | 約30g |
| カップ麺用(350ml) | 約6g | 約9.3g |
| 飲み物用(250ml) | 約4g | 約7g |
| 合計 | 約27g(約0.1本分) | 46.3g(約0.19本分) |
※強火で使用した場合
たとえば、冬に1日あたり「レトルト食品を2回」「カップ麺を1回」「飲み物を2回」としてボンベを使用した場合、約0.3本分を消費します。
ただし、上記はあくまでも最低限の使用を想定しているため、「昼夜における気温の変化」「ガスの余剰使用」など、実際はより多くのガスを消費すると考えてください。防災備蓄の計算においては、安全マージンをとって1日あたり0.6~1本の使用を想定した方が無難です。
防災用のカセットコンロとボンベの選び方

被災後、安全にカセットコンロ・ボンベを使えるよう、防災を想定した選び方もチェックしましょう。次項では、コンロ・ボンベ別に選び方を解説します。
カセットコンロの選び方① 屋内用と屋外兼用の違い
防災用としてカセットコンロを選ぶ際、もっとも注目すべき機能は「耐風性(風防機能)」です。一般的な屋内用コンロは風に弱く、窓が割れた室内や屋外で調理する場合、「風で火が消える」「熱効率が悪化してガスを無駄に消費する」などのリスクがあります。
一方、「屋外兼用」や「アウトドア対応」のモデルは、バーナー周りに風防リングがあり、多重構造になっているため風に強い設計です。ガスを余計に消費せず、限られた備蓄品(ボンベ)を無駄なく使えます。
多少価格は上がりますが、どのような環境でも火を使いやすい屋外兼用モデル(耐風モデル)の方がおすすめです。
カセットコンロの選び方② 安全装置とPSLPGマークの確認
被災時、カセットコンロによる事故を防ぐため、購入の際は「圧力感知安全装置」がついている製品を選んでください。これは、ボンベの過熱より内部圧力が異常に上昇した際、自動的にガスの供給を遮断し、爆発事故を防ぐ機能です。
また、法律に基づいた安全基準をクリアしていることを示す「PSLPGマーク」の有無も確認しましょう。日本国内で正規に販売されている製品には義務付けられていますが、古い製品や一部の並行輸入品にはついていない場合があります。安全装置が作動しないコンロは命に関わるため、マークのない製品は防災用として不適切です。
カセットボンベの選び方① メーカー推奨のものを選ぶ
カセットボンベを購入する際、「メーカー推奨のボンベを使う」ことが大原則です。JIA(日本ガス石油機器工業会)でも、指定された専用のボンベを使用するよう強く推奨されています。
メーカーが推奨していないボンベを使用すると、接合部からガスが漏れたり、火が点かなかったり、トラブルの原因になりかねません。
カセットコンロ購入時は、推奨されるボンベも一緒に購入し備蓄しましょう。
カセットボンベの選び方② 冬の防災には寒冷地仕様のボンベも
通常のカセットボンベ(ノーマルタイプ)に含まれるブタンガスは、気温が10度を下回ると気化しにくくなり、火力が弱まる性質があります。氷点下に近い環境では、火がつかないことさえあります。
冬場の被災に備えるなら、「イソブタン」という寒さに強いガスが高配合された「ハイパワータイプ」や「寒冷地仕様(ゴールド)」のボンベも併せて備蓄することも検討しましょう。これらは低温下でも強い火力を維持できるため、真冬の屋外や暖房のない室内でもお湯を沸かせます。
もちろん、カセットコンロのメーカーで安全試験をクリアしているか、推奨されているかの確認は必ず行ってください。
すべてを寒冷地仕様にする必要はありませんが、備蓄の1〜2割をハイパワータイプにしておくと安心感が違います。
カセットコンロ・ボンベの使用期限と正しい備蓄方法

カセットコンロ・ボンベは他の備蓄品と同様、安全に使える期限が定められています。家庭内でローリングストック(古いものを使って新しいものと入れ替える)を行えるよう、使用期限の目安も把握しましょう。
また、正しい方法で備蓄しなければ、トラブル発生のリスクが高まります。
次項では、カセットボンベの使用期限と備蓄方法を解説するので、備蓄を始める際はぜひ参考にしてみてください。
カセットコンロ・ボンベの使用期限は約7年
カセットコンロは製造から10年、ボンベは約7年が使用期限の目安です。ガス自体は腐食しませんが、内部にあるガス漏れ防止用のゴムパッキンが経年劣化するため、使用期限が定められています。
期限を過ぎたコンロ・ボンベを使用すると、接続部からガスが漏れて引火事故を起こす危険性が高まります。コンロの側面、ボンベの底面に製造年月日が印字されているため、必ず確認してください。
防災用品の点検時には、水や食料だけでなく、ガス器具の製造年もチェックリストに加えましょう。
※参考:兵庫県公式サイト
カセットボンベの安全な保管場所と注意点
カセットボンベの劣化を防ぐため、安全に保管できる場所と注意点を解説します。使用時に事故を起こさないためにも、必ず目をとおしておきましょう。
高温と湿気を避けて保管する
カセットボンベの保管場所は、以下のポイントを避けましょう。
カセットボンベの保管で避けるべきポイント
- 直射日光の当たる窓際
- 夏場の車内
- 洗面所やキッチンのシンク下などの水回り
- 風通しの悪い場所での床への直置き
避けるべき環境は「40度以上の高温になる場所」です。直射日光の当たる窓際や、夏場の車内などは破裂事故のリスクがあるため厳禁です。
また、「湿気」にも注意してください。湿度の高い場所に長期間放置すると、缶の底や縁がサビる恐れがあります。サビが進行すると、そこからガスが漏れ出し、火災や破裂のリスクが高まるので注意してください。
保管場所としては、直射日光が当たらず、風通しの良い「冷暗所(パントリーや廊下の収納棚など)」が適切です。キャップは必ず装着した状態で保管し、先端のノズルを保護しましょう。
サビの発生に注意
長期保管中に缶の表面に赤茶色のサビが見つかった場合、そのボンベは使用しないでください。サビの部分は金属が薄くなっており、内圧に耐えきれず破裂する可能性があります。
特に、防災リュックに入れっぱなしにしている場合、湿気を吸っていつの間にかサビていることがあります。サビたボンベは、ガス抜きをして廃棄しなければなりません。
各自治体の公式HPには、廃棄方法やガス抜きの手順が掲載されています。正しい区分に従って廃棄しましょう。
備蓄にはローリングストック法がおすすめ
カセットボンベの期限切れや劣化を防ぐには、「ローリングストック(循環備蓄)」がおすすめです。
ローリングストックとは
- 古いものを使い、新しいものを備蓄する方法
- カセットボンベの状態を定期的にチェックできるため、安全性が高まる
冬場に鍋料理をしたり、休日にベランダで焼肉をしたり、日常的にカセットコンロを使用し、使った分だけ新しいボンベを買い足します。これにより、常に製造日の新しいボンベが手元にある状態をキープできます。
また、日常的にコンロを使うことで、器具の故障や不具合にも早期に気づけます。「防災用だから大切にしまっておく」のではなく、「普段使いの延長線上に防災がある」という意識で管理してください。
防災備蓄におすすめのカセットコンロ2選

災害時の食事作りや湯沸かしに欠かせないカセットコンロですが、選ぶ基準によって最適なモデルは異なります。「収納場所を取らず手軽に使いたい」「過酷な環境でも確実に火を使いたい」、それぞれのニーズに応えるおすすめの2機種を紹介します。
【BRUNO】BOE094-IV
BRUNOの「BOE094-IV」は、一人暮らしや少人数の家庭、収納スペースを節約したい人に最適な「ミニサイズ」のカセットコンロです。
| 参考価格 | 7,000円 |
| サイズ | 幅228×長さ197×高さ114mm |
| 重量 | 約1,000g |
| 燃料タイプ | LPガス, ブタン |
最大の魅力は、一般的なコンロよりも大幅にコンパクトなサイズ感です。一般的なカセットコンロは、縦・横300mmほどの大きさですが、BOE094-IVはおよそ2/3ほどのサイズです。
防災用品は置き場所に困りがちなものの、このモデルならキッチンの引き出しや棚の隙間にも無理なく収納できます。
大きな鍋で調理する必要がない家庭であれば、このサイズで十分な役割を果たします。普段の食卓でも、スープの温め直しやアヒージョなどの「ちょっと使い」に活躍するため、ローリングストックの延長として自然に備蓄できる点も大きなメリットです。
【Iwatani 】CB-ODX-1
CB-ODX-1は「タフまる」の愛称で知られ、アウトドアから防災まで絶大な信頼を得ているイワタニのカセットコンロです。
| 参考価格 | 10,000円 |
| サイズ | 幅341×長さ283×高さ129mm |
| 重量 | 約2,400g |
| 燃料タイプ | ガス |
CB-ODX-1の魅力は、悪天候や屋外でも火が安定しやすい「耐風性」です。独自技術の「ダブル風防ユニット」を搭載しており、風が吹き込む屋外や、余震を避けて庭やベランダで調理する際でも、安定した火力を維持します。
また、耐荷重が20kgと非常に頑丈なため、重い鋳鉄製の鍋(ダッチオーブン)や、大量の水を沸かす寸胴鍋も乗せられます。頑丈な専用キャリングケースが付属しているため、保管中の衝撃に強く、緊急時にそのまま持ち出せる機動力も備えています。
普段はレジャー用品として活用しつつ、「どんな状況でも確実に火を確保する」という安心感を最優先するなら、CB-ODX-1がおすすめです。
防災用にカセットコンロ・ボンベ購入時は食料もそろえよう!
防災用カセットボンベの備蓄は、1週間分として「1人あたり約6〜7本」が目安です。4人家族であれば20本程度を用意することで、災害時でも温かい食事と安心を確保できます。
本数は多いように感じるかもしれませんが、カセットコンロはライフライン停止時の生命線です。コンロ本体は風に強いモデルを選び、ボンベはローリングストックで循環させながら、冷暗所で安全に保管してください。
まずは自宅にあるボンベの製造年月日と本数を確認し、不足分を買い足すことから始めましょう。
また、防災用品には、食料品も欠かせません。中でも非常食は量・栄養バランス・保存期間など注意すべきポイントが多いため、詳しくは以下の記事もチェックしてみてください。


