防災エアーマットは必要?持たないリスクとおすすめ5選
「防災リュックにエアマットを入れるべきか迷っている」「寝袋や毛布があれば、わざわざマットを用意しなくても大丈夫なのでは?」と考えていませんか。
災害用の備蓄を準備する際、水や食料は最優先されますが、睡眠環境への配慮は後回しにされがちです。
しかし、避難所の床は非常に硬く、底冷えも厳しいため、そのまま横たわると体が痛くて一睡もできない事態に陥りかねません。睡眠不足は体力を奪い、避難生活における健康被害の大きな要因です。
本記事では、防災エアーマットが必要である理由と、持っていないことで直面するリスクを解説します。さらに、持ち出しやすさと快適さを兼ね備えたおすすめのエアーマット5選や、購入後の見落としがちな注意点も紹介します。
この記事を読めば、過酷な環境下でも家族の睡眠と健康を守るための、確実な備えが完成します。
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防災エアーマットは必要!持っていないリスクとは

次項では、防災用のエアーマットの必要性について、備蓄しないリスクから解説します。「自宅の布団があれば大丈夫では?」「避難所で支給されるからなくてもOK」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。
リスク① 避難所の布団を利用できるとは限らない
災害発生時、「避難所に行けば毛布や布団が支給される」という考えは危険です。
避難所のスペースには限界があり、備蓄している物資も限られます。さらに、発災直後の数日間(3日間が目安)は人命救助が優先され、公的支援を速やかに受けられる保証はどこにもありません。
令和6年(2024年)に発生した能登半島地震では、避難所の布団が足りず、学校のマットレスを使用したケースもありました。
行政の支援(公助)は、状況によって数日から1週間以上遅れる可能性もあります。倒壊のリスクがあり自宅へ入れない場合、防災リュックに入っているエアーマットが頼りです。
支援物資の段ボールベッドやマットが届くまでの「空白の期間」を耐え抜くため、防災用エアーマットを備蓄しましょう。
【参照元】石川県 能登半島地震アーカイブ:避難所の状況
リスク② 床の硬さは寝袋だけでは防げない
「寝袋(シュラフ)を用意しているからマットはいらない」と考えるかもしれませんが、これも大きな誤解です。寝袋は「保温」には優れていますが、「クッション性」はほとんど期待できません。
体育館などの板張りの床に寝袋だけで寝ると、自分の体重で背中側の綿やダウンが潰れ、床の硬さが直接骨に伝わります。さらに、床からの冷気(底冷え)を遮断できないため、体温が奪われて低体温症のリスクも高まるでしょう。
「寝袋は掛け布団、エアーマットは敷布団」という役割分担を理解してください。床の硬さを吸収し、冷気を遮断するには、空気の層で体を支えるエアーマットとの併用が防災における基本です。
防災エアーマットを選ぶ3つのポイント

防災エアーマットは、安さだけで選ぶと「すぐに破れてしまった」「防災リュックに収まらない」などの問題が起きかねません。実用を考えて、品質やサイズへのこだわりが大切です。
次項では、避難生活で困らない、防災エアーマットを選ぶ3つのポイントを解説します。
選び方① 持ち出し用(一次避難)ならコンパクトなものを
防災リュックに入れて持ち出す(一次避難)目的であれば、エアーマットの「収納時のサイズと重量」をチェックして選んでください。
防災リュックの容量には限りがあり、水や食料、簡易トイレなどの必須アイテムを入れると、スペースの余裕はありません。キャンプ用の立派なエアーマットは快適ですが、収納サイズが大きく重量1kgを超えるタイプもあり、避難行動を妨げる恐れがあります。
持ち出し用としては、空気を抜いた状態で「手のひらサイズ」や「ペットボトル程度の大きさ」になり、重量500g以下の軽量なモデルがおすすめです。
リュックの隙間に押し込めるサイズ感を選ぶことが、逃げ遅れを防ぐ上で重要です。
防災リュックの総重量の目安、作り方については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
選び方② 膨らませやすさ
避難所に着いた後、疲労困憊の状態でも膨らませられる防災エアーマットを選びましょう。口で息を吹き込んで膨らませるタイプは軽量・安価ですが、肺活量が必要で、災害時の精神的・肉体的なストレス下では大変な重労働です。
そこでおすすめなのが、「自動で膨らむタイプ」もしくは、「専用の空気入れが付属しているタイプ」です。息を吹き込む必要がなく、体力に自信のない人、高齢者の人でも簡単に膨らませられます。
いざというときに労力を使わず、すぐに休める構造であるかを確認しましょう。
選び方③ 厚みと耐久性
睡眠の質を左右するのは、マットが空気を含んだ時の「厚み」です。
薄すぎるマットでは床の硬さや冷気を感じる恐れがあります。さらに、何日も使用すると表面が摩耗して穴が空き、空気が抜けるかもしれません。
以下を基準に、厚み・耐久性の信頼できる防災エアーマットを選びましょう。
エアーマットの厚み・耐久性を選ぶポイント
- 快適性を重視するなら、厚さは8㎝以上が目安
- 空気が漏れない二重構造、もしくは耐摩耗性に優れるTPUコーティング
また、エアーマットによって耐荷重にも差があります。商品のパッケージに記載の耐荷重は測定値であるケースも多いため、自身の体重より数十㎏ほど重たい重量でも耐えられるか確認しましょう。
防災用エアーマットおすすめ5選

次項では、防災エアーマットのおすすめ商品5選をご紹介します。概要・特徴、おすすめの人と併せて解説するので、ぜひ参考にしてください。
おすすめ① 【山善】エアーベッド NAB-001
「NAB-001」は、防災用品や日用品で定評のある山善の、コストパフォーマンスに優れたエアベッドです。
| 参考価格 | 2,479円 |
| サイズ | 長さ191 x 幅73 x 厚み22 cm |
| 梱包サイズ | 幅27 × 奥行26 × 高さ10cm |
| 重量 | 2.3kg |
| 厚み | 約22cm |
| 耐荷重 | - |
| 素材 | ・本体:塩化ビニル樹脂 ・表面:レーヨン |
| その他の特徴 | ・専用ポンプ付き |
※2026年3月時点
厚さが約22cmと非常にボリュームがあり、自宅のベッドに近い感覚でしっかりと体を支えてくれます。床の冷気や硬さを遮断できるため、長期間にわたる避難所生活でも体への負担を最小限に抑えられます。
また、専用のフットポンプが付属しており、電源がなくても足で踏むだけで簡単に空気を入れられます。心身ともに疲労・ストレスが溜まる災害時でも、簡単に寝床を確保できるのが魅力です。
ただし、梱包サイズが大きく、専用ポンプも付属するため、防災リュックには収まらないかもしれません。価格は2,000円台とリーズナブルなので、「自宅の備蓄用に買いたい」「コスパを重視したい」といった人におすすめです。
おすすめ② 【アイリスオーヤマ】簡易ベッド ABD-1NTP
「ABD-1NTP」は、就寝時の快適性を重視した、アイリスオーヤマの防災用エアーマットです。
| 参考価格 | 4,500円 |
| サイズ | 長さ193 x 幅72 x 厚み13 cm |
| 梱包サイズ | - |
| 重量 | 約1.46kg |
| 厚み | 約13㎝ |
| 耐荷重 | 約90kg |
| 素材 | ポリ塩化ビニル |
| その他の特徴 | ・枕(エアーピロー)付き ・専用空気入れ付き |
※2026年3月時点
「ABD-1NTP」は、4,000円台のリーズナブルな価格設定でありながら、「枕付き」「体圧を分散するフィット構造」など、快適性を重視した防災エアーマットです。厚みは約13㎝で床の冷気を遮断するほか、起毛素材なので寒い日でも冷えを防いでくれます。
空気を抜けばコンパクトに折りたためるため、家族の人数分を揃えて自宅に備蓄しておく「二次避難用」としてもおすすめのモデルです。
おすすめ③ 【アーテック(Artec)】エアーマット 自動膨張
学校教材や防犯・防災グッズを手掛けるアーテックの、バルブを開けるだけで空気が入る「自動膨張式」のエアーマットです。
| 参考価格 | 2,997円 |
| サイズ | 長さ188 x 幅58 x 厚み3 cm |
| 梱包サイズ | φ15×60cm |
| 重量 | 0.875㎏ |
| 厚み | 約3cm |
| 耐荷重 | - |
| 素材 | ポリエステル |
| その他の特徴 | ・枕となる部分あり |
※2026年3月時点
本体付属のバルブを回すだけで内部に自動で空気が入るため、労力・空気入れポンプは必要ありません。重量は1㎏以下、収納時もコンパクトに収まるため、自宅の備蓄はもちろん、防災リュックにもおすすめです。
また、頭部を支える部分は特に厚みがあり、枕として使えます。
「小さい子どもや高齢者と暮らす家庭」「防災リュックに入れておきたい」といった人は、アーテックの防災エアーマットを検討しましょう。
おすすめ④ 【LA・PITA(ラピタ)】AIR GOLON Fプラス
防災セットのトップブランド「ラピタ」が開発した、防災リュックに入れるための超軽量・コンパクトなエアマットです。
| 参考価格 | 2,200円 |
| サイズ | 長さ190 × 幅70 × 厚み5.5cm |
| 梱包サイズ | 約19cm×21cm×厚み5cm |
| 重量 | 約390g |
| 厚み | 厚み5.5cm |
| 耐荷重 | 1トン(分散荷重) |
| 素材 | 不織布・ポリエチレン・ナイロン |
| その他の特徴 | ・3層構造 ・空気入れ(ストロー)付き |
※2026年3月時点
「AIR GOLON Fプラス」は、重量はわずか約390gで、畳むとA4サイズよりコンパクトに収納可能です。使用時は付属の空気入れ(ストロー)が使えるため、約5分ほどで膨らみます。
さらに、表面には不織布が使われ、シーツがなくても心地良い肌触りが実現されています。
また、耐荷重1トンの強度、3層構造による破れにくさなど、タフな性能も魅力。年齢・性別問わず利用しやすく、災害後の疲労感が強い状態でも扱える防災エアーマットです。
「家族の各防災リュックに入れたい」「エアーマットは強度面が不安」といった人におすすめです。
おすすめ⑤ 【セーフティライフ】エアーマット ポンプ付き
防災用品・備蓄品を手掛ける「セーフティライフ」から販売される、コンパクトなエアポンプ付き防災エアーマットです。
| 参考価格 | 1,680円 |
| サイズ | 長さ190 × 幅65 × 厚さ5cm |
| 梱包サイズ | - |
| 重量 | 約400g |
| 厚み | 約5cm |
| 耐荷重 | - |
| 素材 | ナイロンTPU |
| その他の特徴 | ・専用ハンドポンプ付き ・補修用パッチ付き |
※2026年3月時点
1,680円の低価格でありながら、コンパクトなエアポンプ、補修用パッチが付属しています。収納時はA4サイズより小さく、重量400gなため、防災リュックに収納しても避難行動を妨げません。
また、耐摩耗性に優れるTPU素材が採用され、避難生活中の破損リスクを抑えられるのも特徴です。厚みは約5cm、凹凸のある本体表面により、床からの冷気を防ぎます。
「防災リュックに入れたい」「コスパを重視したい」といった人におすすめです。
防災エアーマットの見落としがちな注意点

防災エアーマットは、扱い方や保管方法を知らないと、「使っていると破れてしまった」「保管中に劣化していた」などのリスクがあります。
次項では、防災エアーマットの使用・保管に関する注意点を解説するので、購入時はぜひ参考にしてください。
注意点① 内部に結露やカビが発生するリスク
呼気(口から息を吹き込む方法)でエアマットを膨らませる際、注意すべきは「内部のカビ」です。
人間の呼気には大量の水分(水蒸気)が含まれており、口で直接空気を吹き込むと、マットの内部に湿気が溜まります。そのまま長期間保管した場合、湿気が原因でカビが繁殖する恐れがあります。
いざ災害が起きて使おうとしたとき、内部がカビだらけで悪臭がするようでは、カビの胞子を吸い込んでしまうかもしれません。
購入後に「使い心地」や「使い方」をチェックするため、エアーマットを膨らませる際は、以下の対策を行いましょう。
防災エアーマットにカビを発生させない対策
- 足踏み式のポンプ、ポンプサック(手で空気を押し込む)などを使う
- 呼気で膨らませた際は、バルブを開けたまま風通しの良い日陰で乾燥させる
避難生活が始まったとき、「カビだらけで膨らませられない」といった状況に陥らないよう、あらかじめ対策しておきましょう。
注意点② 一度広げると元の状態に戻しにくい
防災エアーマットを購入後、お試しで膨らませると「買ったときのように小さくならない」と悪戦苦闘するケースがあります。
購入時のエアーマットは、工場出荷後の「一度も空気が入っていない状態」です。そのため、体積が小さく、コンパクトに収まります。
しかし、一度膨らませると、内部の空気が完全に抜けきらず、元の状態に戻らないケースが多いです。
空気を抜くテクニックを頭に入れて、防災リュックや自宅の備蓄に収納できるよう準備しましょう。
防災エアーマットの空気を抜くテクニック
- バルブを全開にする
- 長方に対し、二つ折りにする
- 体重をかけながら、大部分の空気を抜く
- マットを広げ、バルブの反対側(足側もしくは頭側)を丸め、体重をかけながら空気を抜く
- 最後まで空気を抜ききってから、バルブを閉める
空気が残っている場合は、上記の4の工程を繰り返し行いましょう。
また、膝をマットに乗せて体重をかけることで、内部の空気をしっかり抜きやすくなります。
注意点③ 空気を入れすぎると破裂しやすい
「しっかり膨らませたほうが快適だろう」と、パンパンになるまで空気を入れるのは危険です。
限界まで空気を入れた状態で、「マットの上に勢いよく座る」「膝や肘などの一点に体重をかける」などを行うと、内部の圧力が急激に高まり、生地の圧着部分が破裂する恐れがあります。
適度な空気量は、手で押したときに少し反発を感じる「80~90%」が目安です。少し柔らかい方が、寝返りを打ったときに体圧が分散され、寝心地も良くなります。
注意点④ 直射日光・高温多湿な場所での保管はNG
防災エアーマットは、直射日光の当たる場所、高温多湿な場所へ保管すると、素材が劣化しやすいため注意してください。
素材によって、環境への耐性有無は異なりますが、たとえば「ポリ塩化ビニル」の場合、熱・紫外線によって「ひび割れ」「強度低下」などを招きます。そのため、真夏の車中や直射日光が当たる窓際、結露しやすい北側の押し入れなどに長期間放置するのは厳禁です。
防災エアーマットの寿命を伸ばすため、保管時は以下のポイントに気を付けましょう。
防災エアーマットの保管ポイント
- 風通しが良く、温度変化の少ない冷暗所
- 膨らませた際は、内部の空気を抜いて、乾燥させてから保管する
- 半年に1度は空気を入れて、問題ないかメンテナンスする
空気を抜く際は、バルブの破損に注意してください。体重をかけて空気を抜くと、バルブへ負担がかかり破損する恐れがあります。
また、湿気が溜まりやすい場合は、除湿剤も一緒に入れて保管しましょう。
防災エアーマットだけじゃない!リュックで災害に備えよう
災害発生後、安全に眠れる環境を確保することは、精神的な安らぎと体力の回復につながる重要課題です。
避難所の収容人数は限られ、公的支援(備蓄)にも限界があります。寝具を確保できない状況に備えるため、世帯人数に応じた防災エアーマットを備蓄しましょう。
睡眠環境の準備が整ったら、次はリュックの中身の見直し・検討です。政府が推奨する備蓄量(3~7日分)を目安に、必要な物資の備蓄を始めましょう。
以下の記事では、防災リュックの中身をリスト形式で紹介しています。世代別に必要な防災用品も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
▼エアマットと一緒に準備すべきアイテムの確認はこちら

