備蓄用の水タンク(ウォータータンク)は何リットル必要?世帯人数別の量とおすすめ商品4選
「断水時はどうやって水を確保すればいい?」「給水車が来ても、水を入れる容器がなかったら…」といった不安を感じていませんか。水は生命維持に不可欠ですが、ペットボトルの備蓄だけでは、トイレや手洗いなどの「生活用水」まではカバーしきれません。
そこで必要になるのが、大量の水を運搬・保管できる「水タンク(ウォータータンク)」です。
しかし、適当に大きなサイズを選ぶと、重すぎて運べなかったり、収納場所に困ったり、失敗も起こり得ます。本記事では、家族構成に合わせた適切なタンクの容量と、災害時に本当に役立つ機能的な水タンクを厳選して紹介します。
この記事を読めば、あなたの家庭に最適な備えがわかり、もしもの断水時でも落ち着いて水を確保できるでしょう。
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災害への備えに水タンク(ウォータータンク)が必要な理由

「防災用品 リスト」「災害 必要なもの」などで検索すると、リストの中に「水タンク(ウォータータンク)」が含まれているケースもあります。
しかし、タンクは場所を取りやすく、「備蓄水があればいらないのでは?」と購入を躊躇するかもしれません。次項では、水タンクの必要性について解説するので、世帯人数や家族の年齢と照らし合わせつつ参考にしてみてください。
ライフラインの停止に備える
災害発生時に水タンクを用意すべき最大の理由は、断水による「生活用水」の不足を補うためです。
大地震や台風などの災害時には、水道管の破損や停電により、断水が発生するケースもあります。飲料水をペットボトルで備蓄していても、トイレを流す、手を洗う、食器を軽くすすぐといった生活用水までは確保しきれないのが現実です。
実際、過去の震災では「飲料水を生活用水に使うのがもったいない」「生活用水が足りない」といったケースがありました。
※参考:国土交通省|第Ⅰ編 持続可能な水利用の確保に向けて
水タンクがあれば、お風呂の残り湯や、マンションの受水槽から配られる水を一時的に溜めておけます。
また、水道が止まる直前にタンクへ水を溜めることで、数十リットルの生活用水を確保できます。衛生環境を維持し、感染症リスクを下げるためにも、大量の水を扱えるタンクは必須の防災アイテムといえます。
公的な給水支援を受けるため
水タンクが必要なもう一つの理由は、自衛隊や自治体による「応急給水(給水車)」の支援をスムーズに受けるためです。
断水が長期化すると給水車が派遣されますが、原則として「容器は持参」がルールです。給水車には水を配る機能はあっても、容器を貸し出す機能はありません。
タンクを持っていなければ、ビニール袋やバケツ、鍋などで水を受け取ることとなります。しかし、これらは密閉できず、運搬中にこぼれたり、衛生的に保管できなかったりする欠点があります。
蓋付きで取っ手のある水タンクがあれば、こぼすことなく自宅まで水を運べます。給水車の列に並ぶ際も、専用の容器を持っているだけでスムーズに給水を受けられます。
受け取る水を無駄にしないためにも、専用タンクの準備は欠かせません。
【世帯人数別】水タンク(ウォータータンク)の備蓄量の目安

災害発生後、避難生活中に必要とされる生活用水は1人1日20~60Lとされています。この数字をベースに、水タンクを備蓄する目安量を見ていきましょう。
| 世帯人数 | 水タンク(ウォータータンク)の目安量 |
| 1人 | 10~20L×1個 |
| 2人 | 10~20L×2個 |
| 3~4人 | 20L×3~4個 |
通常、人が1日に消費する生活用水は約300リットルです。しかし、災害発生後は、断水の発生によって、普段と同じように水を使えるとは限りません。
※参考:国土交通省|水資源の利用状況
そのため、断水が解消されるまでの間、給水車から得られる水をタンクに補給し、節水しながら使用することを前提に備蓄しましょう。「簡易トイレ」や「水のいらないシャンプー」なども備蓄しておくと、水の使用量を抑えつつ生活できます。
水タンクを備蓄する際の注意点
大容量のタンクのみでは、水を補給した後の運搬が大変です。10リットルなど小分けにできるタンクも用意して、人数分の生活用水が確保できるよう備えましょう。
備蓄用の水タンク(ウォータータンク)の種類

備蓄用の水タンクは主に2種類あり、収納スペースや用途に応じて適切なタイプを選ぶ必要があります。次項では、各種類の特徴やメリット・デメリットを解説するので、購入時の参考にしてみてください。
注水式
注水式とは、形状が固定されているプラスチック製の「ハードタイプ」のタンクを指します。灯油を入れるポリタンクのような形状をイメージするとわかりやすいでしょう。
注水式のメリット
- 作りが頑丈で、耐久性が高い
- 地震発生時、倒壊により破損しづらい
- 形状が崩れにくく、持ち運びやすい
注水式のデメリット
- 折りたためないため場所を取る
- 世帯人数に合わせて購入すると、収納しきれない可能性がある
このタイプの最大のメリットは、「耐久性」と「安定感」です。頑丈な作りであるため、水を入れて積み重ねて保管したり、屋外に置いたりしても破損しにくい特徴があります。また、持ち運びの際も形状が崩れないため、持ちやすく注ぎやすいという利点もあります。
一方、デメリットは「収納場所を取る」ことです。水が入っていなくてもサイズが変わらないため、普段の保管スペースを圧迫します。
クローゼットや物置に余裕がある家庭や、常に水を入れて備蓄しておく「常時貯水」を行いたい家庭に向いています。頑丈さを優先するなら、このハードタイプがおすすめです。
折りたたみ式
折りたたみ式は、使用しないときは空気を抜いて平らに畳める「ソフトタイプ」のタンクです。ジャバラ状になっているものや、厚手のビニール袋のような形状のものがあります。
折りたたみ式のメリット
- 省スペースに保管できる
- 複数個購入しても、デッドスペースに保管しやすい
折りたたみ式のデメリット
- 柔らかい素材なため、揺れや衝撃で破れやすい
- タンク内を洗浄しづらく、乾燥に時間がかかる
このタイプのメリットは、圧倒的な「省スペース性」です。畳めば雑誌サイズになるため、防災リュックの隙間に入れたり、キッチンの引き出しにしまったりできます。
マンションやアパートなど、収納スペースが限られる家庭では重宝するでしょう。また、軽量であるため、給水所へ持っていく際も行きは楽に移動できます。
デメリットとしては、ハードタイプに比べて耐久性が劣る点や、中が洗いにくく乾燥させにくい点が挙げられます。長期保管用というよりは、緊急時に取り出して使う「運搬用」としての役割に適しています。
備蓄用水タンク(ウォータータンク)の選び方4つのポイント

防災用品はどれも単価が高く、少しでもコストを抑えつつ、家庭にマッチしたものを選びたいと考えるでしょう。
次項では、コストパフォーマンスを最大化させるため、備蓄用水タンク(ウォータータンク)の選び方を5つのポイントにわけて解説します。無駄なく備蓄品を用意できるよう、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント① 容量で選ぶ
水タンク選びでもっとも重要なのは、運搬と使用のバランスを考えた「容量」です。大は小を兼ねると考えて最大のサイズを選びがちですが、災害時にそれが仇となることがあります。
20リットルのタンクは20kgの米袋と同じ重さになり、階段を使って運ぶのは困難です。特にマンションの高層階に住んでいる場合、停電でエレベーターが止まると階段で運搬しなければなりません。
自分の体力に合わせて、「無理なく運べるサイズ(10L〜15L)」を選ぶか、20Lを選ぶならキャリーカートを併用する前提で準備してください。使えるサイズでなければ、ただの荷物になってしまいます。
ポイント② 収納性で選ぶ
普段の生活空間を圧迫しない「収納性」も、長く備えを続けるための重要な要素です。
収納スペースに余裕がない場合は「折りたたみ式」が有利です。複数個用意しても、棚の隙間に収まります。一方、ガレージや物置がある場合は、「積み重ね(スタッキング)可能」なハードタイプを選ぶと、縦の空間を有効活用して大量のタンクを備蓄できます。
「どこに置くか」を具体的にイメージしてから購入しましょう。被災時、すぐ取り出せる場所に置けるサイズ・形状であることが、実際の避難行動をスムーズにします。
ポイント③ 機能性で選ぶ
使い勝手を大きく左右するのが、コック(蛇口)の有無や注ぎ口の形状といった「機能性」です。
避難時におすすめなのは、「コック付き」のタンクです。コックをひねるだけで水が出るため、タンクを横に倒して置けば、簡易的な水道として使えます。手洗いや食器洗いの際、片手でタンクを傾ける必要がなく、水の無駄遣いも防げます。
また、「広口タイプ」かどうかもチェックポイントです。注ぎ口が広いと、給水車から水を受ける際にこぼしにくく、使用後にタンク内部に手を入れて洗えるため衛生的です。中を洗えないとカビや雑菌の温床になるため、メンテナンス性の高さは、長く使う上で欠かせません。
ポイント④ 安全性で選ぶ
口に入れる水を保管するものだからこそ、「安全性」を妥協してはいけません。
具体的には、「抗菌加工」が施されている製品や、食品衛生法に適合している製品がおすすめです。避難時は衛生環境が悪化しやすく、タンク内でも雑菌が繁殖しやすい状況になります。抗菌仕様のタンクであれば、水の腐敗やぬめりの発生を抑えやすいでしょう。
また、信頼できるメーカーの製品を選ぶことも安全対策の一つです。安価すぎる製品の中には、プラスチック特有の臭いが水に強く移ってしまい、飲用には適さないものも存在します。長期的に使用することを考え、品質が保証された製品を選んでください。
備蓄用におすすめの水タンク(ウォータータンク)4選

備蓄用におすすめの水タンク(ウォータータンク)4選をご紹介します。各製品の概要(価格・容量など)や特徴、おすすめの人を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
ウォータータンク WAT-20L(アイリスオーヤマ)
防災用品や生活用品で定評のあるアイリスオーヤマ製の折りたたみ式ウォータータンクです。
| 参考価格 | 2,220円 |
| 容量 | 20L(10Lタイプもあり) |
| サイズ | 幅29×奥行29×高さ33.5cm ※折りたたみ:幅26×奥行約24×高さ7cm |
| 種類 | 折りたたみ式 |
| セット内容 | 2個セット |
この製品の特徴は、コストパフォーマンスと機能性のバランスに優れている点です。折りたたみ式でありながら、水を注ぐための便利な「コック」が付属しています。タンクを台の上に置けば、ひねるだけで水が出るため、避難所や自宅での給水拠点として活躍します。
容量は20リットルと十分で、使用しないときはコンパクトに畳んで防災リュックに入れておけます。価格も手頃なため、家族の人数分そろえたり、予備として複数持っておいたりするのにおすすめです。
おすすめの人
- 世帯人数が多く、複数のタンクが必要
- 収納スペースが足りず、ハードタイプは保管できない
- 持ち出し用リュックの中に入れておきたい
ボルディウォータータンク UE2050(CAPTAIN STAG )
アウトドアブランド「キャプテンスタッグ」が販売する、給水口が広く、蛇口も付いた、機能性の高い水タンクです。
| 参考価格 | 4,250円 |
| 容量 | 20L(5L・10Lタイプもあり) |
| サイズ | 幅19×奥行40×高さ36.5cm |
| 種類 | 注水式 |
| セット内容 | 1個 |
このタンクの強みは「機能性の高さ」です。持ちやすい取っ手、手を入れて内部を掃除できる給水口、縦置きでも安定する設計など、アウトドア・非難時どちらでも活躍する機能が搭載されています。
避難時は衛生環境の悪化が懸念されますが、UE2050は広口キャップが採用されており、内部を掃除しやすく、速やかに乾燥させられます。大切な水の品質を守りやすいため、安全性を考慮する人はUE2050がおすすめです。
おすすめの人
- 自宅の収納スペースに余裕がある人
- 衛生環境の悪化を抑えたい人
- 5Lや10Lなど、タンクを小分けして購入したい人
ウォッシャブルタンク Nタイプ(岩谷マテリアル)
岩谷マテリアルが提供する、ハードタイプのウォータータンクです。
| 参考価格 | 1,036円 |
| 容量 | 10L(12L、20Lタイプもあり) |
| サイズ | 幅30×奥行27×高さ 18cm |
| 種類 | 注水式 |
| セット内容 | 1個 (大キャップ・中キャップ/レバー式コック月) |
「ウォッシャブル」という名前の通り、メンテナンス性に特化しています。最大の特徴は、手首まですっぽり入る「大口径のキャップ」です。内部の隅々までスポンジでしっかり洗えるため、使用後に乾燥させやすく、常に清潔な状態を保てます。
また、透明度の高い素材が使用され、水の残量や内部の汚れが一目でわかるのもポイントです。コックも標準装備されており、避難中も水道のような感覚で水をつかえます。
おすすめの人
- タンクの衛生状態を重視したい人
- 価格、強度、使い勝手などコストパフォーマンスが気になる人
抗菌ジグザグウォータータンク8(ロゴス)
人気アウトドアブランド「ロゴス」の、蛇腹(ジャバラ)式ウォータータンクです。
| 参考価格 | 1,280円 |
| 容量 | 8L |
| サイズ | 幅26×奥行22×高さ6cm ※収納時のサイズ |
| 種類 | 折りたたみ式 |
| セット内容 | 1個(コック付き) |
水を入れても重さは約8kgなので、女性の一人暮らしや高齢者の方に扱いやすいタンクです。20リットルは重すぎるという家庭には、このサイズを複数個用意するスタイルをおすすめします。
素材には抗菌加工が施されており衛生面も考慮されています。また、収納時は厚さ6cmとコンパクトなので、ちょっとした隙間にも収納しやすいことが魅力。
おすすめの人
- 一人暮らしで収納スペースが足りない人
- 衛生面への配慮もしたい人
- 防災リュックにタンクを保管したい人
備蓄用水タンク(ウォータータンク)の正しい管理方法と注意点

水タンク(ウォータータンク)は、正しく管理しなければ「雑菌の繁殖」「ボトルの劣化」を招く恐れがあります。避難時、タンクが使えず、生活用水を確保できない事態に陥らないよう、次項の管理方法と注意点にも目をとおしましょう。
水道水を備蓄する場合は3~7日で入れ替え
水タンク(ウォータータンク)に水道水を入れて備蓄(汲み置き)する場合、3~7日で入れ替えてください。水道水の塩素(カルキ)には殺菌作用がありますが、市販のミネラルウォーターのように長期保存はできません。
水道水の賞味期限目安
- 常温保存(冷暗所):最大3日
- 冷蔵庫 :最大7日
この期間を過ぎると塩素が抜け、雑菌が繁殖しやすくなります。期限が来たら、中の水は洗濯や掃除、植物への水やりなどに使い、新しい水道水に入れ替えてください。このローテーションを習慣化することで、常に新鮮な水を確保できます。
水道水の備蓄については、以下の記事でも詳しく解説しています。
直射日光・高温多湿を避ける
水タンクの保管場所として、直射日光が当たる場所や高温多湿な場所は適しません。
紫外線はプラスチック素材を劣化させ、タンクのひび割れや破損の原因となります。また、日光が当たるとタンク内の水温が上昇し、藻(も)が発生したり、カルキが早く抜けたりして水質が悪化します。
ベランダや屋外の物置に置く場合は、必ず遮光性のあるカバーをかけるか、箱に入れて光を遮断してください。基本的には、家の中の涼しい場所(玄関の収納、床下収納、パントリーなど)で保管しましょう。
洗った後は乾燥させて保管する
一度使用した水タンクを保管する際は、完全に乾燥させて、雑菌の繁殖を防ぎましょう。
水分が残ったままキャップを閉めて保管すると、内部でカビや雑菌が繁殖し、災害時に使おうとしたら「カビだらけで使えない」といった事態に陥ります。特に折りたたみ式やジャバラ式のタンクは、構造上水滴が残りやすいため注意が必要です。
使用後は中性洗剤で洗い、逆さまにして数日間しっかりと陰干ししてください。菜箸にキッチンペーパーを巻いて拭き取るなどして、完全に水気を取り除いてから収納することで、次回も衛生的に使用できます。
ペットボトル備蓄水と水タンク(ウォータータンク)の使い分け

ペットボトル備蓄水と水タンク(ウォータータンク)は、それぞれの特性を活かして使い分けると、避難時に水で困るリスクを抑えられます。
| 項目 | ペットボトル備蓄水 | 水タンク |
| 用途 | ・飲料水 | ・生活用水 ・給水車からの運搬用 |
| 役割 | ・災害後~数日間の健康を守る | ・断水生活を支える |
| メリット | ・数年単位で保存可能 ・衛生的 ・持ち出しやすい | ・大量の水を備蓄/運搬できる ・水道水を低コストで備蓄可能 |
まずはペットボトルで最低3日分の飲料水を確保し、それに加えて水タンクを用意することで、生活用水の確保や給水支援へ対応できます。両方を備えて、はじめて万全の水対策が可能です。
ペットボトルの備蓄については、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
災害への備えには「タンク+水」を備蓄しよう!
災害時の水対策において、水タンクは「生活用水の確保」と「給水支援の受け皿」として欠かせないアイテムです。
1人暮らしなら10〜20リットル、4人家族なら60リットル以上を目安に、体力に合わせて「運べるサイズ」を選んでください。
水タンクがあれば、トイレや手洗いの問題を解決でき、避難生活の質を大きく向上させます。まだ用意できていない場合は、ペットボトルの備蓄と合わせて、ぜひ水タンクの準備を始めてください。
ただし、公的な支援(水の配給)は、災害直後に受け取れるとは限りません。支援を受けられるまでの数日間、水が不足することのないよう、水の備蓄も進めましょう。
詳しくは、以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。


